飲酒運転は“組織のリスク”


飲酒運転は“組織のリスク”

  1. 2012年9月21日
  2. 21日から福岡県で施行された全国初の罰則付きの飲酒運転撲滅条例では、従業員が通勤途中で飲酒運転で検挙された場合、勤務先に通報され、勤務先は、再発防止策をとることが求められます。こうしたなか、飲酒運転を「個人のモラル」でなく、「組織のリスク」と捉えて、いち早く取り組み始めた事業者があります。
  3. 福岡県で、9つの福祉施設を運営する社会福祉法人では、職員の介護福祉士が飲酒運転で事故を起こしたことをきっかけに、組織を挙げて、職員の飲酒運転防止に取り組み始めました。
  4. 事故が報道され、施設の利用者や家族への謝罪や、行政や関係機関への報告などの対応に追われ、飲酒運転が組織にとって大きなリスクになることを実感したからです。社会福祉法人の松尾文彦事務局長は、「介護の仕事は、人の信頼が大事です。イメージダウンによって、法人経営が揺らぐことにもなりかねないと感じた」と話しています。
  5. この社会福祉法人が、事故をきっかけに作ったのが、参加者の交通手段を幹事が全面的に管理する「飲み会マニュアル」です。
  6. マニュアルでは、飲み会の数日前、幹事が専用のチェック用紙を使って、酒を飲むかどうか、当日の交通手段は何か、参加者全員に確認するとしています。
  7. また、飲み会の会場は、電車やバスを使いやすい駅の近くにするよう定めています。
  8. そして、飲み会の終了後には幹事が1人ずつ、帰り方を改めて確認します。
  9. この日の「飲み会」の幹事を務めた松尾事務局長は、「会社の中で飲酒運転という不祥事が起こると、本当に職場ごと、家族ごと全部潰れてしまうので、飲酒運転は絶対にやめさせないといけないと考え、あえて、ここまで管理するようにしました」と話していました。