総代制について


福岡県中小企業団体中央会のホームページからの転載です

  1. 総代の定数総代の定数は、その選挙の時における組合員の総数の10分の1以上でなければなりませんが、組合員数が1000人以上の組合では100人以上であれば良いことになっています。このように一定数以上の総代を要求するのは、少数者による独裁を防止するためです。この定数は選挙の時におけるものですから、選挙後組合員数が増えて、総代の数が組合員数の10分の1以下になっても、改めて選挙する必要はありません。
  2. 総代の任期・責任総代の任期は3年以内において定款で定める期間とされています。また、総代の権能は全組合員の為の共同利益、ないし組合員の利益の為に行使すべきものですが、組合員の受任者・代理人ではなく、組合員の指示に従ったり、その行使の結果について組合員に対して責任を負うことはないとされています。
  3. 総代の選挙総代は、定款の定めるところにより、組合員の住所、事業の種類等に応じて公平に選挙されなければなりません。選挙は無記名投票により、1組合員・会員の投票権は平等に各1票となっています。総代の選挙は総会外ですることもでき、その方法は定款に委任されています。火災共済協同組合模範定款例37条1,2項では、「総代は、各地区ごとに各地区に属する組合員の内から、その地区に属する組合員によって選挙する。…前項の各地区において選挙すべき総代の数は、選挙を行う日の属する事業年度の全事業年度末における各地区の組合員数に応じ、総代会において定める。」としています。補欠の総代については、総代会で選挙することもできます。ただ、総代の選挙は定款の規定によらなければならないので、補欠の選挙を総代会が行う為には、その旨の定款の規定が必要です。なお、総代については指名推選・選任の方法によることはできず、必ず選挙の方法によらなければなりません。
  4. 総代の退任総代は任期満了、若しくは辞任によって退任します。他にも総代は組合員である事を要しますから、総代が組合員たる地位を喪失した時は、当然に総代の地位を失います。また、組合員たる法人の代表者が、総代になった後に法人の代表者でなくなった時は、総代の地位を失います。なお、総代については、組合員からリコールを請求することはできないと考えられています。

監事の役割について


  • 監事の役割は次の通りです。
    1. 監事の資格監事となる者は、会計監査という職務の遂行に必要な諸条件、すなわち会計、経理等、団体の財務についての専門的な知識を有すべきことはもちろん、ものごとを徹底的に調査分析し、的確公正な判断を下せる能力と旺盛な責任感を備えていることが望まれます。監事については、法律上次のような制限がおかれています。すなわち、監事は、理事または組合の使用人と兼職してはなりません。これは、監事は会計監査を通じて理事を監督すべき地位にあり、組合の使用人は理事の監督のもとに事務を執る立場にあるので、これら相互の兼職は相矛盾するものであり、かつ、業務の適性を阻害することになるからです。なお、監事については、理事におけるような競業禁止はないので、組合の事業又は組合員資格事業と実質的に競争関係にある事業者であっても、監事になることは差し支えありません。また、組合員以外の者が監事になることについても何ら制限はないので、定数全員を組合員以外の者から選任することも認められます。
    2. 監事の職務権限監事の職務は、組合の会計監査をすることにあります。しかし業務についての直接監査権は与えられていないことに注意を要します。監事の職務権限として主なものは、次のとおりです。
      1. 理事が総会に提出しようとする決算関係書類について、意見書を作成すること。
      2. 組合の会計帳簿および会計関係書類を閲覧し、謄写すること。
      3. 理事、参事および会計主任その他の使用人に対して、会計に関する報告を求めること。
      4. 組合の業務および財産の状況を調査すること。ただし、これは、会計監査を行うためにとくに必要があるときにのみ認められるものです。
    3. 監事の責任監事は、委任の本旨ににしたがって善良なる管理者の注意をもって、上記の職務を遂行する義務を負うものですから、監事がこの義務を果たさず、組合に損害を与えたときは、その行為が作為であると不作為であるとを問わず、その監事は連帯して組合に対する賠償の責に任じなければなりません。また第三者に対して損害を与えたときは、それが監事の悪意または重過失に基づくものであった場合に限り、その監事は直接に被害者たる第三者に対して損害賠償の責任を負います。なお、監事が組合または第三者に対して損害賠償責任を負う場合において、同一原因により理事もまた損害賠償の責任を負わなければならないときは、その監事と理事とは連帯債務者となります。

員外理事の代表理事就任について


  • 員外理事は、組合事業に専念できる者を得るために設けられた制度であるため、その員外理事が代表理事に選ばれれば、なんら問題はありません。しかしながら組合は組合員のための組織であることを考慮すると、代表理事は組合員のうちから選任されることが好ましいでしょう。また、理事長、専務理事が共に員外理事であることは一般的には避けるべきですが、特別の事情でそれが組合運営に却ってプラスとなるのであれば、一概には排除すべきことではないと考えます。

代表理事を総会で選任できるか


  • 理事一般については、組合と委任契約を締結しますので(中小企業等協同組合法第42条において準用する商法第254条第3項)、中協法においては、総会で選挙する旨を規定していますが(中協法第35条第3項)、代表理事は、理事会を構成する他の理事との信任関係に立ちながら、理事会で決定された組合の業務の執行を正確に実施するところの組合の代表機関であると解されます。したがって、この趣旨から代表理事は、理事会において選任すべきものとして中協法第42条で商法第261条第1項の規定を準用しています。いわば代表理事の選任は理事会の専決事項ですから、これを直接総会で選出することはできません。

理事会に欠席した理事の責任について


  • 理事会に欠席した者は、決定事項について賛成したものとはみなされず、従って、その決定の段階までは責任はありません。しかし、理事は組合の業務について総合監視の責任があり、理事会が開催されたこと、また当該決定がなされたことを知っていながら、決定から執行までの段階で、これを止むべき何らかの措置をとらなかったときは、理事としての一般的任務懈怠の責任を免れる事はできません。

会議費と懇親会費について


  • 会議費は、総会費、理事会費、各種委員会費を指します。懇親会費はそれぞれの会に付随して考えられるものもあり、総会のあとに行われる組合員の懇親会は、むしろ福利厚生事業の親睦的事業とも思われます。一般管理費や各種事業費のうちの会議費と、福利厚生事業費の懇親会は区別すべきと考えられます。 では、会議に引き続いて行われる食事代等は会議費に含められるのでしょうか。税務上は、資本金1億円以下の法人は、「支出交際費の内の400万円までの部分の10%+支出交際費の内の400万円を超える金額」が課税対象となります。会議費のうち税務上の交際費等とされるものが含まれていると、その全額が交際費と判定されます。法人が区分して処理していれば、それにより交際費等を判定し、区分がなければ税務上進んで区分しないので、明らかに区分しておくことは、交際費限度をこえる法人では必要な事です。税務上の交際費等とは、交際費、機密費、接待費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、きょう応、慰安、贈答その他これに類する行為のため支出するもので、次に掲げる費用を除いたものです(措法62条(4)、措令38条の2)。
    1. もっぱら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
    2. カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用
    3. 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用
    4. 新聞、雑誌等の出版物又は放送番組を編集するために行われる座談会、その他記事の収集のために、又は放送の為に取材に通常要する費用 交際費に含まれないものは次に掲げるような性質のものです(措基62(1)-1)。
      1. 寄付金
      2. 値引及び割戻し
      3. 広告宣伝費
      4. 福利厚生費
      5. 給与等

理事の辞任届の効力について


  • 組合と理事との関係は委任関係であり、その委任関係の終了は相手方の承認を必要とせず一方的に終了させることができるので、理事は辞任届をもって理事を辞任したことになります。しかし、中小企業等協同組合法第42条で準用する商法第258条第1項の関係で、辞任により法定数を欠くときは、辞任した理事は、後任者が就任するまでは理事としての権利義務をもちますので、ご質問の欠席した場合は、欠席した理事としての責任を負わなければなりません。